はじめに
Mattermost v5.36がリリースされました。このリリースの新機能についてご紹介していきます。
本記事では、バージョンアップに関してのすべての変更内容は記載しておりません。変更内容の詳細については公式のリリースをご確認してください。
なお、v5.36.0には「high level」のセキュリティ修正が含まれておりますので、アップデートすることをお勧めいたします。
アップグレードの注意事項について
アップグレードに関しての重要な注意事項についてアナウンスされております。
- 「Gossip clustering mode」が一般提供になります。これに伴い、すべてのクラスタートラフィックはゴシッププロトコルを使用します。既存環境が「Gossip clustering mode」を使用していない場合、すべてのノードをアップデートする必要があるためご注意ください。
- 2021年8月16日に公開予定の「v5.38」では、「config watcher」(設定ファイルのconfig.jsonを自動的に再ロードするメカニズム)を廃止、構成変更を適用するために実施するmmctlコマンドが推奨されます。
アップデート内容の紹介
1.Incident Collaborationの更新(Enterprise E20 Edition)
複数のインシデントコラボレーションの機能拡張が含まれています。
チーム全体のプレイブックアクセス許可
特定の個人ユーザのみではなく、すべてのチームメンバーが特定のプレイブックを参照・確認・実行できるようにチームに対して、アクセス許可設定を構成できるようになりました。
プレイブック作成の権限制御
プレイブックの作成権限を管理者以外の個人のユーザに対して許可できるようになりました。
自動化されたウェルカムメッセージ
インシデントチャネルに参加したメンバーに対して、ウェルカムメッセージを送信できるようにプレイブックを構成可能になりました。これにより、招待されたメンバーが招待された理由やインシデントチャネルの目的の説明、また、関連リソースへリンクの提供もでき、オンボーディングプロセスの提供が可能になりました。
2.Focalboardベータ版の紹介
Focalboardは、ベータ機能としてMattermostと統合されました。
Trello、Notion、Asanaなどのツールに代わる、使いやすいプロジェクトおよびタスク管理を提供します。
Focalboardのセットアップ手順
- サイドバーメニューからマーケットプレイスを開きます
- 「Focalboard」プラグインをインストールします
- 「設定」をクリックします。
- Facalboardのプラグインを「有効」にし、保存します
- NGINXまたはApacheWebプロキシ構成を更新します。具体的にはWeb socketの設定を行いますが、詳細手順はこちらを参照ください。
※なお、Webプロキシの代わりにAWSのALBを利用している場合、AWSのALBは WebSocket のネイティブ サポートしております。Websocketの設定は不要です。
Focalboardの使い方
チャネルヘッダーにFocalboardアイコンが表示されます。このアイコンをクリックすることで、そのチャネルのボードにアクセスできます。
基本的にはタスクボードになるのですが、目的に合わせて様々な用途で利用可能ではなかろうかと思います。
「Personal Tasls」、「Personal Goals」、「Project Tasks」などのテンプレートがデフォルトで用意してありますので、まずはこれらを触ってみるとイメージしやすいかと思います。
FocalBoardのUser's Guideもございますので、詳細はマニュアルをご参考にしていただけばと思います。
3.ハンガリー語のサポート
Mattermostがハンガリー語で利用可能になりました。
Mattermostは現在19の言語で利用可能であり、ベトナム語、チェコ語、フィンランド語など、他のいくつかの翻訳に取り組んでいます。
今後のアップデート
過去のリリース記事でもアナウンスさせていただいておりました折りたためる返信スレッドを来月ベータ版で提供を予定しているとのことです。最新機能を利用するために是非アップデートを実施しましょう。
なお、この機能をシームレスに利用開始するためにv5.29.2以降にアップグレードしておく必要があります。