はじめに
Mattermost v5.37がリリースされました。このリリースの新機能についてご紹介していきます。
Mattermostのv5.37はESR(Extended Support Release)となります。長期延長サポート版として2022年4月15日までサポートされます。
MattermostのESRについての詳細はこちらを参照ください。
本記事では、バージョンアップに関してのすべての変更内容は記載しておりません。変更内容の詳細については公式のリリースをご確認してください。
アップグレードの注意事項について
アップグレードに関しての重要な注意事項についてアナウンスされております。
- 返信スレッド折りたたみ機能は、Mattermost v5.37以降でベータ版として利用可能になりました。ベータ版であり機能が安定するまでは、バグが発生する可能性があります。すでに既知のバグもございますので、把握した上でご利用ください。
- Mattermost v5.31の拡張サポートリリースのサポートは、2021年10月15日にライフサイクルが終了します。Mattermost v5.37以降へのアップグレードが必要です。
- 本バージョンにて、「Emoji 13.0」の絵文字が標準サポートされ、利用できるようになります。過去に追加したカスタム絵文字と同名の絵文字がある場合、アップデートの際にカスタム絵文字は新しい絵文字に上書きされます。
- Incident Collaborationのプラグインが、すべてのエディションで利用できるようになりました。このアップデートの一環として、Incident Collaborationのプラグインを利用するにはv5.37以降のバージョンである必要があります。各エディションで利用できる機能の詳細については、価格ページをご覧ください。
アップデート内容の紹介
1.返信スレッドの折りたたみ機能 - ベータ版(All Edition)
Mattermost のfeature requestフォーラムで最も人気があった返信スレッド折りたたみ機能(Collapsed Reply Threads)がベータ版として提供されました。
本機能を有効にするには、「システムコンソール」>「実験的機能」>「機能」>「返信スレッドの折りたたみ」で有効にできます。
上記の画像の設定項目にも記載してありますが、機能を使うためにはユーザ側も設定が必要となります。
「アカウント設定」>「表示」>「返信スレッドの折りたたみ(ベータ版)」を有効にします。
返信がチャンネル(全体)に表示されなくなり、折りたたまれた返信スレッド内にのみ表示されるようになります。これによりチャンネル内の会話をトピックごとに把握でき、フォローや会話の再開することが容易になります。
「返信」をクリックすれば返信スレッドが展開されます。
「購読する」をクリックすると「購読中」になり、このスレッドに返信があった場合に通知してくれるようになります。
※本機能はベータ版であり、既知のバグも含めて問題が発生する可能性がありますので、利用に関してはご注意ください。
2.Incident Collaborationのアップグレード
Incident CollaborationのプラグインをOSS版(Team Editon)を含むすべてのエディションで利用できるようにアップデートされました。
※このアップデートの一環として、Incident Collaborationのプラグインを利用するにはv5.37以降のバージョンである必要があります。
各エディションで利用できるものの詳細については、価格ページをご覧ください。
プレイブックのキーワードモニタリング
パブリックチャネル内のユーザーメッセージの特定のキーワードを監視し、キーワードを含む投稿があった際に適切なプレイブックを実行するように求めるように構成できるようになりました。キーワードの監視は、独自の用語に合わせてカスタマイズできます。
Retrospectiveレポート(E10以降)
playbookに対してRetrospective(振り返り)レポートを作成できるようになりました。
イベントのタイムラインを表示しながらレポート記入できるようです。
また、Retrospective(振り返り)レポートの作成完了後に公開(Publish)されると、チャンネル内のメッセージとして投稿させることもできるようです。
Playbookダッシュボード(E20)
過去のPlaybookの実行結果を把握するためのplaybookダッシュボードが提供されました。インシデントの発生頻度、対応人数、対応にかかった消費時間などの傾向を把握するのに役立ちます。
3.肌の色(スキントーン)が選択できる絵文字
「Emoji 13.0」が標準絵文字としてサポートされました。それに伴い、Mattermost上の絵文字ピッカーを利用して、肌の色(スキントーン)が選択できるようになります。
4.Focalboardのアップデート(ベータ版)
Mattermostに内包されているFocalboardがv07.0にアップデートされました。いくつかのアップデート内容をご紹介します。
プロパティによるグループ化
テーブルをプロパティごとにグループ化できるようになりました。たとえば、エピックまたは所有者ごとのタスクをすばやく確認するなどの用途で利用できるかと思います。
新しいプロパティタイプの追加
以下の3つの新しいプロパティタイプが追加されました。
- Multi-select
用途例:タグとして利用できます - Person
用途例:チャンネル内のメンバーを選択できます - Checkbox
用途例:リストやテストなどのチェック項目に利用できます
5.英語(オーストラリア語)のサポート
Mattermostが英語(オーストラリア語)で利用可能になりました。
Mattermostは現在20の言語で利用可能であり、ベトナム語、チェコ語、フィンランド語など、他のいくつかの翻訳に取り組んでいます。
6.その他のアップデート
ドキュメント(doc.mattermost.com)の改善
Mattermostの公式ドキュメントサイトであるhttps://docs.mattermost.comの構成などの改善を実施しているとのことです。すでにFocalBoardなどの新しい製品のドキュメントが追加されていました。
チャンネル切替ダイアログの改善
Mattermost上で 「Ctrl(Cmd) + K」 を入力することで開く「チャンネル切替ダイアログ(Channel Switcher)」に、最近開いたチャンネルが表示されるようになりました。
カスタムステータスの有効期限設定
カスタムステータスの設定で、ステータスの有効期限が設定できるようになりました。
今後のアップデート
2021年の秋ごろを目標にMattermost v6.0の開発が進んでいると公式ブログで発表がありました。ベータ版提供だった機能などで、v6.0で正式サポート(GA)されるものなどが紹介されています。(looking-forward-to-mattermost-v6-0)