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Data + AI World Tour Tokyo に参加してきました!

こんにちは、moriです。

先日、2024年11月14日(木)に開催された Data + AI World Tour Tokyo に参加してきました!今回は、Databricksが主催するこのイベントで得た学びや感じたことを皆さんに共有したいと思います。

初めての参加でしたが、予想以上に会場の雰囲気が熱気に包まれており、多くの参加者が新しいデータ活用やAI技術に関心を寄せている様子が伝わってきました。エンジニアとして、このようなイベントは技術的な知識を深めるだけでなく、新しい視点やアイデアを得られる貴重な機会だと改めて実感しました。現地で合流した同僚とも話しましたが、「もっと詳しくなって、いろいろなことに挑戦したい!」という気持ちが湧いてきた一日でした。

会場は東京都内の ANAインターコンチネンタルホテル。落ち着いた雰囲気と広々とした会場が印象的で、運営も非常にスムーズでした。ただ、本当に人が多かったw

それでは、私が参加したセッションを中心にレポートをお届けします!


1. Get Started with Gen AI - Databricksで始める生成AI -

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このセッションでは、Databricks Academyが提供する 「Get Started With Generative AI」 という英語トレーニングコースの内容を、日本語で解説していただきました。

プロンプトエンジニアリングからRAG、ファインチューニング、事前トレーニングまで幅広く、体系的なトレーニングを受けることができました。基礎から応用までを一貫して学べるのが魅力的です。さらにAI PlaygroundやMosaic AIなどの実際の画面を使っての解説はとても分かりやすかったです。

なお、この「Get Started With Generative AI」 のトレーニングを受講し、テストに合格すると、LinkedInなどで表示できる公式バッジが発行されるとのこと。自身のスキルを証明する手段としても非常に価値があると感じました。このセッションを通して、私も生成AIのトレーニングに挑戦したいという意欲が湧いてきました。


2. Data + AI World Tour Tokyo 基調講演

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イベント全体を通じて、基調講演は特に印象的でした。

Databricksがこれまでどのようにデータ基盤を進化させてきたのか、そして今後データを中心にどのような変革が起こるのかを、非常に具体的かつ丁寧に説明していただきました。未来のビジョンを描きながら、実際の事例や活用例を交えたお話はとてもわかりやすく、私自身、技術の可能性にワクワクさせられる内容でした。

また、セッション内では驚くべきデータも紹介されました。85%以上のAIプロジェクトが本番運用に達していないという現状に触れ、AIを実際に導入し、効果を出すことの難しさを改めて認識しました。特に、ルネサスエレクトロニクス株式会社様やNTT人間情報研究所様がどのようにしてAIプロジェクトを導入・運用までこぎつけたのかという具体的な事例や課題、解決策を共有してくださった点は非常に勉強になりました。

AI導入に成功するための戦略や組織としての取り組み方について、貴重なヒントを得ることができたセッションだったと思います。


LT) DatabricksとDataikuの連携でデータ分析と生成AIの活用が進化する

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弊社では、Databricksと同様にDataikuにも「Data+AI」という観点で注目し、積極的に取り組んでいます。そんな中で行われたライトニングトーク形式のセッションに参加してみました。

このセッションでは、DatabricksとDataikuの連携における役割分担の考え方や、実際の画面を用いた利用事例が紹介されました。Dataikuを使用した経験がある者としては、具体的な操作イメージがしやすく、とても参考になりました。

例えば、Databricksは全体のデータ基盤として、その処理能力を生かしながらデータエンジニアやデータ分析、データサイエンティスト向けの高度な分析を支援します。一方で、Dataikuはノーコード/ローコードでデータを扱えることを強みに、ビジネスユーザーでも直感的に操作できる環境を提供します。

この2つのツールを連携させることで、専門的な技術力が必要な複雑な分析から、より簡易な操作でデータを活用する作業まで幅広いニーズに対応可能であり、データ活用の幅が大きく広がることを実感しました。


3. Databricks 基盤に構築した生成AI - RAG の活用と業務への組み込み -

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このセッションでは、ネットワンシステムズ様が自社のオフィス「netone valley」で実施しているIoT実験や生成AIの活用事例についてご紹介されました。センサーを使ってCO2、温度、湿度、人流などのデータを収集し、それらをDatabricks上で分析することで、環境改善や効率化を図っているとのことです。(この「netone valley Sensor Data」はDatabricks Marketplaceを通じて、公開されており、無料で利用することも可能だそうです)

また、ネットワンシステムズ様の導入事例として、製品マニュアルや技術ドキュメントをDatabricksに取り込み、サポート業務で生成AIを活用して利用しているという話がとても具体的で面白かったです。データに関してのイベントだけあって、コストに関しての生々しい数字なども紹介していただけました。


4. 対談デジタルマーケティング最前線:Databricks で実現する次世代CDP、パーソナライゼーション、クリーンルーム

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このセッションでは、前半はアパレル業界の大手BEAMS社と笹社長の対談。
BEAMS社がどのようにして顧客データを活用してパーソナライゼーションを実現しているかというお話です。笹社長は元々デジタルマーケティングに関しての分野を生業としていたとのことで、さすがというべきか、鋭い視点での問いかけが多く、とても面白い内容が聞けました。

後半はリテールメディアの開発・運用を行うアドインテ社が登場し、Databricksのデータクリーンルーム技術をどのように活用しているかが語られました。特に、プライバシー保護や企業の秘匿情報の取り扱いといった課題に対応しながら、どのようにプロダクトを進めているのかは、これからデータを扱うエンジニアにとって非常に参考になるものでした。


5. ローソン14,600 店舗の発注を支えるAI 基盤:個店ごとに異なる理想の売場の実現に向けて

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「いかに店舗で活用させるか!」というテーマは非常に難しいものでした。
このセッションでは、これまでシステムが発注数の推奨値を提示していたものの、現場では次第に使われなくなっている現状について、その原因を掘り下げたお話が印象的でした。システム側の課題だけでなく、人間の行動心理も含めて考察がなされ、技術だけでは解決できない複雑な問題の一端を垣間見ることができました。

システムは「作って終わり」ではなく、「いかに使ってもらうか」「使ってもらうためにはどう設計すべきか」が重要であるという点は、データやAIに限らず、すべてのエンジニアにとって考えるべき普遍的なテーマだと感じました。内容は難しかったですが、非常に考えさせられるものでした。

さらに、14,600以上の店舗が出す膨大な発注データを処理するためのスケールの大きさにも驚きました。データ量は9ペタバイト以上、処理数は億を超える規模とのこと。数年前ならコストが膨大になるため実現は難しかったそうですが、Databricksの技術がもたらす高い処理速度コスト削減が成功の鍵になったと語られていました。この点は、非常に印象的でした。


おわりに

全体を通して、今回のイベントはとても充実していました。Databricksの最新動向や、生成AIを中心とした実践的な活用例を知ることができたのはもちろんですが、多くの刺激を受け、自分のスキルを磨きたいというモチベーションも高まりました。今後も継続してDatabricksの技術を学び、活用の幅を広げていきたいと思います。

次回のイベントにもぜひ参加したいです!以上、moriでした。

  • B!

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