はじめに
Mattermost v8.0が2023/7/14にリリースされました。メジャーバージョンアップです。
本バージョンでの新機能等の情報についてご紹介していきます。
Mattermostの導入検討や新機能のキャッチアップにお役立てください。
本記事では、バージョンアップに関してのすべての変更内容は記載しておりません。変更内容の詳細については公式のリリースをご確認してください。
アップデート内容の紹介
1.Platform: プライベートクラウドLLMs、Azure AI、およびOpenAIとの連携
OpenOpsフレームワークを提供しており、プライベートクラウドLLMs、Azure AI、およびOpenAIモデルとの連携を実現しています。
これにより、生成型AIとMattermostとの連携が容易になりました。
詳細はOpenOpsについてをご覧ください。
2.Platform: Microsoft Teams向けのMattermost
Microsoft 365プラットフォームとの統合をさらに拡張し、Microsoft Teams内で直接Mattermostの埋め込みを提供するとともに、更新されたMS Teamsコネクタを提供しています。
Mattermost for Microsoft Teams をインストールして使用するには、次のドキュメントを参照してください。
- Mattermost for Microsoft Teams プラグインをインストールする
- Microsoft Teams に Mattermost アプリをインストールする
- Mattermost for Microsoft Teams を使用してコラボレーションする
3.Platform: Atlassian Suite向けのMattermost
Atlassianツールセットを活用したワークフローを強化することができます。
詳細はMattermost for Atlassian Suiteについてをご覧ください。
4.Platform: PostgreSQLによるパフォーマンスと効率性の向上
主要な機能 (折りたたまれた返信スレッドや検索など) の品質が向上しパフォーマンスが向上しています。
今後も、来年にかけてパフォーマンスの強化を継続する予定との事です。
管理と拡張性の課題を簡素化するために、MySQLよりもPostgreSQLの導入を推奨しているそうです。
5.Platform: 新しいエンドユーザートレーニング
Mattermostプラットフォームの主要なコンポーネントに関する教育を目的とした9 つのトレーニング モジュールと、DevOps、セキュリティオペレーション、インシデント管理における技術的なシナリオに対応する追加の10 つのユースケース モジュールを導入しました。
6.Channels: チャンネル毎のデスクトップ通知サウンドが設定可能に
チャネルごとに異なるデスクトップ通知サウンドを指定するサポートが追加されました。
ダイヤログで「Desktop notifications」をクリック
「Notification sound」でチャンネルごとのサウンド設定の変更が可能となります。ON
/ OFF
や、プルダウンでサウンドを変更できます。
7.Platform: システムコンソールのデータベースセクションにアクティブな検索バックエンドを表示する機能の追加
システムコンソールのデータベースセクションに、新たな読み取り専用セクションが追加されました。
このセクションでは、現在使用中の検索バックエンドが表示されます。複数の検索エンジンが設定されている場合、どの検索エンジンが現在アクティブなのかを確認するために役立ちます。
アップグレード時の注意点
- インサイト機能は、新規インスタンスおよびv8.0にアップグレードする既存のサーバーでは廃止されました。詳細については、フォーラムの投稿をご覧ください。
- Focalboard プラグインは、すべての新しいインスタンスに対してデフォルトで無効になっていますが、[システム コンソール] > [プラグイン設定]で有効にできます。
- Channel Export プラグインと Apps プラグインはデフォルトで無効になりました。
- Apps Bar がオンプレミス サーバーに対してデフォルトで有効になるようになりました。
ExperimentalSettings.EnableAppBar
に名前も変更されましたExperimentalSettings.DisableAppBar
。詳細については、以下を参照してください。 - PostgreSQL v10 のサポートが削除されました。PostgreSQLのバージョンは最低限 v11以上のバージョンを使用する必要があります。
- Go MySQL ドライバーの
maxAllowedPacket
サイズが 4MiB から 64MiB に変更されました。これは、MySQL 5.7 から MySQL 8.0 へのサーバー側のデフォルト値の変更と一致させるためです。設定が 64MiB ではない場合は、サーバー側の値と一致するmax_allowed_packet
追加パラメータを使用して MySQL 構成 DSN を更新してください。maxAllowedPacket
の値として0を設定すると、新しい接続のたびにサーバー側の値が自動的に取得されますが、これにはパフォーマンスのオーバーヘッドがかかります。 ExperimentalSettings.PatchPluginsReactDOM
の設定が削除されました。この設定が以前に有効になっていた場合は、次のことを確認してください。- Mattermost でサポートされているすべてのプラグインが最新バージョンに更新されていること。
- 他のプラグインは React 17 をサポートするように更新されていること。詳細については、v7.7 の重要なアップグレードに関する注意事項を参照してください。
- サーバーでWebSocket接続を他のオリジンから許可する場合は、
ServiceSettings.AllowCorsFrom
の構成設定を変更してください。 mattermost-server
、mattermost-webapp
、およびmmctl
の3つのリポジトリが1つに統合されました。開発者の方は、詳細については更新された開発者ガイドをお読みください。- 前回のリリースでのマイグレーションに起因する問題が修正されました。PostgreSQL 14のDB(t3.medium RDSインスタンス)でのクエリは約11ミリ秒かかります。Preferencesテーブルのロックは、削除する行がある場合のみ取得されますが、処理時間はほとんど無視できるレベルです。
- ユーザーが退室したチャンネルのスレッドビューにスレッドが表示される問題が修正されました。PostgreSQLでのマイグレーション実行時間は、58.11秒でDELETE 2766690の処理が行われました。MySQLでは、Query OKで2766769行が影響を受けました(約5分)。
- ファイル情報統計クエリは、
channelID
列をテーブル自体に非正規化することで最適化されるようになりました。これにより、右側のペインを選択したときにチャネルのファイル数を取得するクエリが高速化されます。マイグレーション実行時間は以下の通りです。- PostgreSQL 12.14のDB(FileInfoに1731行と1100万件の投稿がある)では、約0.27秒かかりました。
- MySQL 8.0.31のDB(FileInfoに1405行と1100万件の投稿がある)では、約0.3秒かかりました。
以上、Mattermost v8.0のアップデート内容をご紹介でした。